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2005.12.20

顎(がく)関節症

(アゴ)の運動時に生じる関節の雑音、痛み、開口障害のいずれかの症状のうち、少なくとも1つあれば顎関節症という病名がつきます。

顎の運動は耳前部のガクカンセツを蝶番軸として、咀嚼(そしゃく)筋群の働きによって開閉口が行われます。噛み合わせも一つの関節、左右の顎関節も関節ですから、口を開けるという行為は3つの関節が一緒に働いているという珍しい運動を示します。

古くから、顎関節症は障害を受けた部位によって、4型に分類されます。1型は、咀嚼筋の筋肉障害です。2型は、顎の運動痛と噛み締め時痛で、関節包、関節靭(ジン)帯の炎症、損傷がその病態とされています。3型は、開閉口時にコキッ、あるいはカクンといった撥()ねるような音を生じたり、開閉口時に引っかかりがあったりするもので、関節のクッション役をしている関節円板の位置の異常による障害です。4型は、骨の変形を生じた変形性関節症で、慢性の関節痛、ゴリゴリ、ギリギリという雑音がみられます。

症状は2年以上は続かないとされ、治療は適切な診断を基に必要最小限にすべきです。口腔外科専門医だけが行える関節腔パンピングや整復術、関節腔内洗浄などの特殊な治療法もあります。なお、一部で身体の不調を噛み合わせと関係づける向きもあるようですが、科学的な裏付けが無いことが多く、この点に関して十分慎重に検討すべきだと思われます。

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